2021年3月31日 合同会社Healing Connectionsを設立しました。
私は幼い頃の体験から、異なるバックグラウンドを持つ人が異なるまま、平和理に共存するためにはどうすればいいのだろう、そして日本人としてそのためにどんな貢献ができるのだろう、という問いを胸に、国際協力、難民支援、多文化共生の領域で仕事をしてきました。
2013年から一橋ビジネススクール(留学生が8割を占める英語のMBAプログラム)を中心に、日本文化体験を通じた自己理解・相互理解プログラムを提供する中で、禅寺での坐禅体験にご案内する役割を担ってきましたが、この際、全世界の人が、同じことで悩んでいるということに気付きました。
それは、
・自分の感情をコントロールできるようになりたい
・人間関係の課題を抱えている、良好な関係を築きたい
・どうしても人と比べてしまう、自分らしくありのまま生きたい
・何をやっても満足できない、タスクをこなす日々に辟易している
・ 心を穏やかに保つ方法が知りたい
ということ。
お迎えした世界各国の20-70代までの様々な方が、驚くほど同じ悩み・願いを表現されていました。
そして、もう一つ。
坐禅会で静かに坐り、和尚様を囲んで心の内を分かち合う対話を行ったのち、どのグループも驚くほど急速に仲良くなるということにも気付きました。
ずっと、和は「作る」ものだ、と思っていましたが、和は心が整えば「自ずと生まれる」ものなのかもしれない…と思うと、心を整えることに取り組むことがとても大事なことのように思えました。
また、子育てを通じて、評価・判断・競争を前提とした社会の構造、そして自分自身の育ちの中で感じてきた葛藤にあらためて向き合う中で、一人一人の子どもが、ありのままを大切にされ、共感的で丁寧な眼差しの中で育つことが、ダイバーシティとインクルージョンを大切にする社会を築いていく上で不可欠だと感じるようになりました。
そこから、「共感」や「つながり」をキーワードに、心・精神・意識について様々な学びを取り入れてきました。
日本文化の中にはもちろん素晴らしい叡智がありますし、引き続きその真髄に少しでも触れられるような体験を提供していきたいと考えていますが、様々な思想哲学、心理学、ボディワーク、ヒーリング、コーチングなど、それぞれの良さがあり、また共通するものがあると感じています。個人的には、探求はまだはじまったばかりで一生続くものと思っています。
ただ、コスタリカ発の「コネクション・プラクティス」というスキルに出会った時、人生を豊かにすることはとはもちろん、世界につながりを取り戻し、「和」を即座に広げていくのに、とても有効なスキルだと直感しました。
理由は、
①シンプルで、素早く実効性を感じられること
②自分の心が整うだけではなく、他者とのつながりを取り戻し、質を高めることができること
③ユニバーサルなデザインで、国籍問わず、子供からお年寄り、保育園から企業の経営会議でも使えるスキルであること
④科学の裏付けがあること
この4つです。
私自身、家族との関係、仕事の人間関係、そして自分自身の心の平安にも非常に役立っており、この学びを通じて出会った方々と、本当に深いところでの繋がりを築いてこられた喜びと感謝があります。
2021年1月に認定トレーナーとなり、リクエストをいただいた個人の方、組織向けに徐々にお伝えしていますが、新たなライフワークの一つとして取り組んでいくことが自然なことのように思えました。そのための共創のうつわとして、Healing Connectionsを新たに立ち上げました。
まずは、コネクション・プラクティスを中心に取り組みつつ、これまで学んできた様々な思想哲学や心理学・コーチング・ボディワーク・ヒーリングなどのエッセンスも取り入れて、お一人お一人に寄り添い、組織や教育現場にも効果的な研修やセッションとして発展させていきたいと思っています。
自分自身の「本質」とつながり、他者とも深くつながる、豊かで共感的な世界を、一人でも多くの方とご一緒に拡げていけたら嬉しく思います。
2021年3月31日
木村素子